「ナナホシキンカメムシ」
【特徴】メタリックグリーンの体、冬から春にかけて目撃多い
【出会える度】★★☆☆☆
【分布】琉球列島
メタリックカラーなカメムシ
「緑色で臭い虫」でおなじみのカメムシ。
カメムシと聞いただけで「臭い」「嫌」といった言葉が聞かれるほど好かれない虫。
そんなカメムシですが、沖縄には普通とはちょっと違ったカメムシが生活しています。
そのカメムシの特徴とは…
体の色がとてつもなくキレイなメタリックグリーン色をしていること。
沖縄の森の中には、多種多様な昆虫が生活しています。
特に西表島は、昆虫の宝庫といっても過言じゃないほど、昆虫天国です。
最近でも、新種の昆虫が見つかったりしており、今現在、生き物の進化が起こっているんじゃないかと思わせてくれる環境です。
「進化」というと恐竜が鳥になったように何万年もかけてちょっとづつ起こっていくものだと思うかもしれませんが、
それは大きな生き物にとっての進化です。
小さい生き物、例えば微生物のようなものは寿命が短いので次の世代へ移行するのが早いです。
人間でいう1日が微生物にとっての一生だったりするので、進化もしやすい。
微生物に限って言えば、土の中で生活している時にほかの微生物の遺伝子をもらって進化しちゃうやつがいるほど。
小さい生き物にとっては、「進化」っていうのは日常起こることなのかもしれません。
そんな微生物に比べると世代時間の長い昆虫ですが、人間などの大きな生き物に比べると「進化」しやすい。
そんな環境が、多種多様な生き物を生み出してくれます。
西表島と昆虫
西表島の森を歩くと、メタリックブルーな蜂がいたり、赤い背中に黒いバッテンを持つ虫や、鮮やかなブルーの羽をもつ蝶など
いろんな色とりどりの昆虫に出会えます。
そんな色鮮やかな虫の宝庫な西表島で、今回紹介するのは「ナナホシキンカメムシ」です。
名前の通り、「七星(ナナホシ)」を背中につけた「キンカメムシ」です。
メタリックグリーンの体に7つの黒い星がついている、ゴージャスなやつ。
普段は木や草の葉についていることが多いキンカメムシですが、暖かくなると草木の間を飛び回っている姿も。
11月~12月は風の弱い涼しい日に、1~3月は木の葉の裏で休んでいたり、4月~6月にかけては飛び回る姿を見ることができます。
11月からの時期は気温が下がるので、動物などは動きが鈍くなったり、土の中や山の中で休んでいたりすることが多いです。
大きい動物は、なかなか姿を見せてくれない時期でもあります。
そんな時期に探してほしいのが昆虫たち。
虫ダメってかたも、このキンカメムシをみると「虫じゃないみたい」って思うこと間違いなし!
それだけキラキラ光ってキレイな虫です。
でも、注意点がひとつ!
キレイな虫でも、やはりそこはカメムシ。
触ると、とっても臭いにおいを放ちます。
「キレイだから大丈夫かな」なんて思ってると、とんだしっぺ返しをお見舞いされます。
ナナホシキンカメムシだけではなく、メタリックな虫は西表島に多いです。
森の中を歩くときも、そんな不思議な昆虫を探して歩くと、また違った楽しみができますよ。
そんなナナホシキンカメムシに会えるかも >>>【滝】ピナイサーラの滝つぼ&滝うえコース:P2
ガイド飯田(写真/文)