西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

旧暦10月に行われる「節祭(しち)」2018年は11月3日~5日の開催です

祖納・干立で行われる節祭

古い歴史をもつ行事

毎年旧暦10月前後の「つちのとのゐ」の日に行われる「節祭(しち)」
西表島の祖納、干立という集落で行われている祭(行事)です。
歴史は古く、約500年前から行われていると言われている行事です。

無形重要文化財

節祭(しち)というのは他の地域でも行われる行事ですが、
西表島(祖納・干立)の節祭は、国の無形重要文化財に指定されている行事です。

五穀豊穣、健康、繁栄を祈願するもの。
ミルク神という神様をお迎えして、棒術(演舞)、ハーリー、狂言、獅子舞などの芸能が奉納されます。

西表島の方言で奉納

基本的には、西表島の方言で行われるので、初めて聞く方には「言っている意味がよくわからない」と感じるかもしれません。
ですが、奉納の儀式だけあって、威厳があり、荘厳に開催されるので、雰囲気だけでも沖縄の離島の行事だなと感じることができます。

狂言などでは、集落の人たちがマイクを使い、同時通訳してくれたりと工夫を凝らしてくれています。
通訳をしてもらうと内容もはっきりとわかります。
狂言などの演目として受け継がれていますが「島の歴史、集落の歴史などを口伝で伝える」という役割も担っているようです。

2018年は11月4日がメインの行事

2018年の節祭は11月4日が世願い(ユークイ)と呼ばれ、ミルク神やオホホが登場するメインの行事の日となります。
奉納芸能が海岸や御嶽(うたき)で行われます。

祖納の海岸(船元の御座)でミルク神を迎え、棒術、巻踊りなどの奉納が行われ、
干立集落でミルク神の行列やオホホの登場、狂言、獅子などの奉納が行われます。

オホホというのが外国人をモチーフにしたと言われているキャラクターで、お金を手に持ち、ばらまくような仕草で踊ります。
昔の海賊のようなものでしょうか、昔は異国人に捕らわれた人もいたそうで、そんな歴史を今に伝えているようです。

11月4日に八重山にご旅行の方は、ぜひ節祭の見学もスケジュールに組み込んでみてはいかがでしょうか。
西表島に伝わる行事の一端を体験できるいい機会でもあります。

 

ガイド飯田(写真/文)

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