西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

カニたちが砂の中で生活している西表島「ソデガラッパ」がバタバタしています

「ソデガラッパ」

【特徴】堅固な殻、バタバタする足、石みたいな身体

【出会える度】★★☆☆☆

【分布】相模湾〜九州、奄美諸島〜八重山諸島、台湾、中国、インド〜太平洋、ハワイ諸島、オーストラリア沿岸

「ソデガラッパ」とは?

ソデカラッパ。
何だそれ?と思う人が多いと思います。
聞いたことのない言葉。

そんなソデカラッパを探してみました。

ソデカラッパ。
なにか妖怪にいそうな名前。
でも、妖怪ではないんです。きちんと実在します。

ソデカラッパは海辺の砂地にいることが多いです。
砂の上に少し海水が残っていて、波のたっていないところ。
そんな場所がソデカラッパの住処です。

砂のような色をしているので見分けにくいですが、 びっくりすると、手足をバタつかせ、砂に潜ります。

もったいぶりましたが、ソデカラッパの正体は。。。

カニです!

カラッパという種類のカニがいて、ソデカラッパは漢字で書くと「袖カラッパ」
ハサミに袖がついているみたいな姿をしています。

仲間に踊るカニがいるソデガラッパ

北海道には「踊るカニ」として知られている トラフカラッパという種類もいます。
歩く姿が踊っているようなので、そう名付けられたようです。
西表島にいるソデカラッパは、 よく見ないとカニに見えない形をしています。

ガードが固いカニ

上から見ると、ただの黄色い石にしか見えない。。
ガードが固く、縮こまると、ちょっとやそっとでは動いてくれません。

防御力は高いですが、ハサミが小さいので人間に対しては攻撃力が低いです。
すぐ捕まっちゃう。

そんな防御力重視のカラッパも、大きいものでは貝殻を割るぐらいの力を持っているので 侮れません。
干潟にはいろいろな種類のカニがいます。

八重山民謡「あんぱるぬみだがーまゆんた」にも登場するよ

石垣島にはラムサール条約湿地にも指定されている「名蔵アンパル」という場所があります。
そんな「アンパル(あんぱる)」に「目高蟹(めだかがに:みだがーま)」の「ゆんた(労働歌:苦しい労働を忘れる為に歌われていた歌)」があり、
そんな「ゆんた」の中の登場人物(蟹)としても、ソデガラッパが現れます。

石垣島にはお祝いでカニたちがあつまり、宴が始まるというお話が「あんぱるぬみだがーまゆんた」
昔から人々の生活の中にカニがいたことを感じさせます。

そんなカニたちが踊る姿は干潮の時に干潟で見ることができます。
潮の満ち引きを気にしながら海辺を散策すると おもしろい光景が見れますよ。

 

ガイド飯田(写真/文)

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