西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

道路や民家の庭先にも歩いてる天然記念物「セマルハコガメ」見つけやすい条件とは…

「セマルハコガメ」

【特徴】天然記念物、陸で生活するカメ、腹甲を折り曲げて蓋ができる

【出会える度】★★☆☆☆

【分布】西表島、石垣島、台湾

 

雨上がりに見かけるカメ

セマルハコガメは西表島の道路や森の中で出会えるカメです。 晴れた日より、雨上がりの時間帯によく出会えます。
道路をゆっくりと横断している姿は、 のんびりしており、じっくり観察したくなります。

完全防備のカメ

ビックリさせると手足を引っ込めて甲羅の中に逃げ込みます。甲羅のお腹の部分(腹甲)を折り曲げて、完全に隙間をなくすことができるカメです。
外敵から身を守るために、このような構造を持っています。

フルーツも食べます

雑食なので、果物やキノコ、ミミズ、昆虫などを食べます。フルーツのなる木の下で、落ちたフルーツを食べていることも。
庭にフルーツの木が生えているところだと、 民家の庭先でも出会うこともあります。
民宿にお泊りの方は、庭のフルーツの木のそばを散歩をしてみると ヒョッコリ出会えるかもしれませんよ。

音に注意

ツアー中は、森の中を歩いているとたまに見かけるカメ。西表島は落ち葉が積もっている場所が多く、カメが歩いていると「ガサガサ、ガサッ」という音がします。
歩いている時は、音に気をつけると、生き物たちを発見しやすいです。同行する方に「よく見つけれますね」、「目がいいんですね」 と言われるのですが、
ガイドは視覚や音だけではなく五感と経験をフルに使って案内しています。

森の中での動物の探し方

空気中の湿度だったり、気温だったり光の入り具合だったり。そういう条件も生き物にとって大事な条件です。
この条件なら、このあたりにいるだろうと経験から「めぼし」をつけ探す。
探す時に必要なのが五感。 目や耳で直接的に感じることもあれば、気配を皮膚で感じることもあります。
どちらかに頼りすぎると見えるものも視えなくなってしまうので 話ながらも、意識だけはボーっと、とばすように探すこともあります。

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雨降り後に活動する生き物

生き物にはそれぞれ、好みがあります。 晴れが好きな生き物もいれば、雨が好きな生き物もいます。
人間は晴れが好きな生き物でしょうが、セマルハコガメは雨上がりが好き。
雨上がりは、雨にうたれてフルーツが落ちたり、 昆虫やミミズが、はい出てきたりと、エサとなる生き物が豊富に出てきます。
それにつられて散歩をはじめたりするんですね。

運転に注意してください

道路にもミミズが出てくるのもあったり 横断して反対側の森に行きたいと、カメが道路に出てきたりします。
遠くでカメが歩いているのを見ても、小石が転がっている風に見える時もあります。

特にセマルハコガメは 甲羅の中に逃げ込むと「まあるい石」のよう。
小さい生き物が多いので、生き物だと思えずらい場合があるんです。

西表島の道路を運転する時は カメだけでなく、鳥やヤマネコも出てきます。
十分、気をつけて旅を楽しんでください。

 

ガイド飯田(写真/文)

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