西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

あしながおじさんバリの美脚「セイタカシギ」を見ると感じることとは…

「セイタカシギ」

【特徴】長いピンクの足、田んぼや浅瀬で歩いている

【出会える度】★★☆☆☆

【分布】ヨーロッパ、アフリカ、アジア南部

 

長い足が特徴的

セイタカシギは何といっても、長い足が特徴的な鳥です。
フラミンゴを連想させるようなピンクのすらっとした足。
ちょっとバランス悪いんじゃないかなと心配になるような細さです。

シギ界では、間違いなくファッションモデルとして活躍してそうなルックスです。
なんで、あんなに足が長いのだろうと思っていたのですが、その疑問に
なんとなく疑問に解決できそうな光景をこの前目撃しました。

ツアー中だったのですが、その日は満潮に向かってくる最中。
アオアシシギの群れに混ざっていた、セイタカシギ。

水が入ってきて、足の短いアオアシシギは「羽が濡れちゃ困る!」とすぐに飛び立ちましたが、
足の長いセイタカシギは、水が入ってきてもおかまいなし。
せっせと餌の小魚をとり続けていました。

潮の干満が激しい場所や、浅瀬では大活躍の長い足。
餌を簡単に多くとるためにも進化したものなのでしょう。

餌が豊富な場所ではあまり必要ないかもしれませんが、餌を争奪するような競争の激しい場所では有利になる足です。

冬の訪れを感じさせる鳥

西表島では9月下旬あたりから1月中旬にかけて見ることが多くなる鳥です。
基本的に冬にかけて見かける鳥で、セイタカシギを見ると、もうすぐ冬だなあと感じます。
本州のほうでは4月から6月にかけて繁殖するようですが、繁殖を終えたセイタカシギがわたってくるのでしょうか。
たまに、4月に西表島でも見かけることがあるので、冬を過ごし繁殖しようとするセイタカシギもいるのかもしれませんね。

沖縄で繁殖するのは稀と言われているので、よっぽどの変わり者なセイタカシギなんでしょう。

見つけるには「水辺」へ行ってみてください

2018年も9月18日に飛来してきているのを観察できました。
田んぼの中を2羽並んで歩いている。
セイタカシギは水辺、浅瀬、田んぼなどでよく見かけることができます。

カヤックを漕いでいると、川べりで小魚を捕まえていたり、
干潟でカニを探していたり、田んぼの中でカエルなどの動物を探していたりと「水辺」がポイントとなります。

8月~9月ごろに見かけるセイタカシギは幼鳥や少し大きく育った若鳥を連れていることもあります。

秋を感じるこのごろですが、これから冬になっていくのだなと思えさせてくれる鳥でもあります。

 

ガイド飯田(写真/文)

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