ビーチクリーン活動
世界的なプラスチック問題
西表島には日本初のエコツーリズム協会「NPO法人 西表島エコツーリズム協会」があり「人と自然が共生する西表島」を目指しています。
そんな西表島では月に1回程度、海岸清掃(ビーチクリーン)活動が行われており、環境に配慮した生活をしています。
2018年にはヨーロッパの方でプラスチックストローの制限をかけるなど、環境、特にマイクロプラスチック対策の活動が盛んになってきました。
4年前(2014年)にも実家に帰った時、何気なく市民講座で「海のプラスチックごみ問題」を受講。
「海には目に見えないほど小さなプラスチック(マイクロプラスチック)が溶け込んでいる」という話を聞きました。
詳しくは「プラスチックスープの海: 北太平洋巨大ごみベルトは警告する(NHK出版)チャールズ・モア, カッサンドラ・フィリップス」を読んでもらうとわかるのですが、簡単に言うと「ビニール袋などのフィルム状のプラスチックが紫外線などで劣化してボロボロの粉状になる」→「その粉が風などで海に飛ばされ、海水に混じる」→「海水に混じってしまうと分離不可能で、海を一生漂い続ける」という流れで、海水中にプラスチックが蓄積し続ける現象が起きています。
それが一因となり、今回のヨーッロッパのプラスチック制限につながっているのかもしれませんね。マイクロプラスチック以外にも、ウミガメや海鳥などがプラスチックを飲み込み死んでしまう海洋生物への悪影響もあります。日常使っているプラスチックの処理も考えなくてはならない問題でもあります。まあ、便利だから使っちゃうんだけどね。難しい問題です。
○○からのゴミが多い…
西表島のカヌー組合に所属している人たちも年に1回「国立公園を美しくしよう」という会に入っており、美しくするためにビーチクリーンをやってます。今回はそれに参加してきました。当日は参加できないので事前活動。
普段使っている場所で「ゴミなんて落ちてないだろう」と思っていても、目につかない場所にゴミが潜んでいたりします。2人で1時間半ぐらい拾ってみると、車に積みきれないぐらいの量のゴミを拾うことができました。
日本も海外の国に迷惑をかけているのでは?
内容を見てみると、プラスチックボトル、ペットボトルのゴミが多く、海外(中国、台湾)の包装がついているものだったりします。日本のゴミもなくはないのですが、海外からのものが圧倒的に多い。立地的にも季節的にも海外から流れつくものが多いのでしょう。海はつながっているので、世界的に対策を進めなくてはならない問題なんだなと感じます。
海外のゴミが多いからといって「中国しっかりしろ!」なんて怒りたくなるけど、それは違うなと感じます。「人のアラはよく見え、自分のアラは見ないふりをする」ってことを日常にしてしまうと他人を悪く言う、他人を憎む人になってしまします。「人のフリ見て我がフリ直せ」の精神で、中国のゴミが多いってことは、日本のゴミも多いんじゃないと考えると世界的なゴミ問題解決の糸口が見えてくるかもしれません。
もしかしたら日本のゴミが、まわりまわって、海を流されまくってフィジーやミクロネシアに流れついている可能性もあります。フィジーの人たちは「日本のゴミ多いな、どうなってるんだ!」なんて怒っているかもです。
ゴミとの付き合い方
そう考えると怒ること、抗議すること主張することが重要なのではなく、「自分たちが出したゴミはしっかりと責任をもって処理する」という行動を心がけなければならないなと感じます。また、ゴミを集める行政も適当に処理するのではなく、適切な方法で処理してほしいものです。
西表島で生活していると、「ゴミ」に関しては厳しい制限があるので、常に意識せざるをえない問題でもあります。ひとりひとりが日々の生活をふりかえって、できるだけゴミを減らす。ゴミを出さない生活をこころがけていきたいものですね。
ガイド飯田(写真/文)