西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

西表島と石垣島の特産種「チャイロマルバネクワガタ」

「チャイロマルバネクワガタ」

【特徴】固い身体、小さいハサミ、森に生息

【出会える度】★★★☆☆

【分布】西表島、石垣島

西表島、クワガタの時期

西表島の秋、山が色づいてくる季節。
どんぐりも落ち始める10月に活動を始める生き物がいます。
チャイロマルバネクワガタです。

クワガタというと夏休み、自由研究!などのイメージが強いですが、
「チャイロマルバネクワガタ」は秋によく見かけられるクワガタです。
9月から11月にかけて森林によく出てきてくれます。

西表島と石垣島の特産種

実は、西表島と石垣島の特産種でもあるチャイロマルバネクワガタ。
西表島では、よく見かけるので、そんなに珍しい種類だとは思っていませんでした。

ハサミが小さいのも特徴的で、メスかな?と思っても、実はオスだったり。
ハサミは、普通のクワガタのメスぐらいの大きさしかありません。

クワガタといえば、樹液を吸っていたり、木にしがみついているイメージだと思いますが、
チャイロマルバネクワガタは、森の中の道を歩いていると倒木に乗っかっていたり、石の上を歩いていたりと
結構見つかりやすい場所にいることが多いクワガタでもあります。

夏のクワガタとの違い

夏にはサキシマヒラタクワガタという、別の種類のクワガタが歩いてます。
サキシマヒラタはチャイロマルバネに比べると 身体も大きく力も強いクワガタです。
「ザ・クワガタ」という出で立ちのクワガタ。
小学生の男の子が好きそうなクワガタです。

サキシマヒラタに比べるとチャイロマルバネクワガタは小さいクワガタ。
昼行性のクワガタなので、日中、山道を歩いていると、足元でモゾモゾと動いている印象。
ビックリすると木から落ちてしまう ドジっ子でもあります。

生活の仕方が長らくわからなかったのですが、
一般的なマルバネクワガタの幼虫が腐った木を食べるのに対して、
チャイロマルバネクワガタの幼虫は林床の土壌を食べて育つということもわかっています。
他の種類のクワガタとは違った特徴を持つクワガタでもあります。

自然保全条例で保護されているクワガタ

石垣市では自然環境保全条例により、採集、殺傷が禁止されています。
石垣島、西表島にしか生息していないので、守るべきクワガタでもあります。

そんなチャイロマルバネクワガタに最も会える時期が10月。
自然の中でクワガタを見つけると、やばいぐらいテンションがあがります。

ただ、とても小さいクワガタなので、山歩きの際は踏まないように気をつけて歩いてください!

 

ガイド飯田(写真/文)

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