「サキシマフヨウ」
道端に咲く、八重山を代表する花
西表島にも秋が訪れる頃、咲き始める花「サキシマフヨウ」。
秋とは言っても、西表島の10月は気温は高い日がまだまだ続きます。
夏最盛期に比べると、日差しはだいぶ和らぎ、朝晩の気温差が出てくる季節となります。
そんな朝、ふと庭に目をやると「サキシマフヨウ」が開花していました。
庭のサキシマフヨウは貰ってきた枝を挿し木で増やした木です。
ただの枝だった状態から育てた木なので、とても愛着があります。
生命力の強い木
サキシマフヨウは強い木なので、西表島では道路沿いや アスファルトの隙間からも生えてきます。
下手にアスファルトの上なんかで育ててしまうと、アスファルトを突き破って根を張ってしまう場合も。
雑草魂というのでしょうか、亜熱帯に生きる木は競争が激しいので根性、生命力がダンチガイです。
そんな生命力の強い木にしては、咲かせる花は、とても可愛らしい。
花の色は白か、ピンクの花が多いですが、この木は白とピンクのハイブリッド型。
白地にピンクの線が可愛らしい模様となっています。
自然環境の中で、白花のフヨウと、ピンク花のフヨウが混ざったのでしょうか。
沖縄ではフヨウ同士の種間雑種があるので、一概にそうじゃないとも言い切れません。
今後はサキシマフヨウ同士で交雑して、新しい種が生まれてくるかもしれませんね。
生命の不思議を感じさせてくれる花でもあります。
島人に愛される花
西表島の上原にある「上原小学校」の校歌にも歌われている花で、
八重山では生活になじみのある花、地元の人の愛着がある花として知られています。
咲いている花を見ると「フヨウの花の咲くころに~」という歌が聞こえてくるようです。
道路沿いでも見られる「サキシマフヨウ」
西表島をドライブしていると、この特徴的な葉がよく目につきます。
花が咲かないとパッと見、見分けることは困難ですが、
10月の時期は花が咲き始めるのでわかりやすい!
「あっ、フヨウだ!」と白い花が目に飛び込んできます。
運転していて見えない場合は、スピードの出しすぎなのでゆっくり運転してみてください。
西表島の道路沿いは植物の宝庫
西表島の道路は、ただ歩いていても、様々な植物が生えています。
歩きながら植物話をすると100m進むのにも1時間ぐらい 話してしまう自信があります。
緑好きの方には楽しすぎる道路です。
最近では、外国人の方が歩きながら写真を撮っているのをよく見かけます。
ただ歩いているだけですが、自分の国では見ない植物だったり、景色だったりと
とても珍しそうに散歩しているのが印象的です。
日本人にとっても珍しい植物が満載なので、時間がある方は散歩してみてはいかがですか。
秋、冬を迎える西表島。
西表島にお越しの際はぜひ、ドライブ中の景色も楽しんでください。
11月はサキシマフヨウが満開になる姿が見れるかもしれません。
季節の移り変わりを こんな小さな花が教えてくれるのだなと改めて感じました。
ガイド飯田(写真/文)