「サガリバナ」
【特徴】夜に咲く花、水面に浮かんでいる光景が有名
【出会える度】★★☆☆☆
【分布】奄美大島以南の琉球列島、台湾、中国大陸南部から旧世界の熱帯に広く分布
夜に咲く花
西表島には、夜に咲く有名な花があります。その名も「サガリバナ」。
あまり聞いたことない名前かもしれませんが、西表島ではとても有名な花です。
サガリバナと言えば、水面に散った白い花が浮かんでいるのが有名。
その花が咲くのは夜の9時前後から。
写真にあるようにフワフワとしたものは「おしべ」
おしべが「つぼみ」から飛び出してきて花を咲かせます。
おしべの色は2種類
サガリバナも白色と赤色の2種類があり中には、中間種っぽいピンク色も見つけられます。
印象としては白色が多い印象のサガリバナ。
赤色を見つけられたあなたはラッキーかも!
例年では7月が開花のピーク
普段は6月終わりぐらいから川の上流で、ちらほらと咲きはじめ
7月中旬ぐらいに開花のピークを迎えるサガリバナ。
早朝に散ったサガリバナが水面に浮かんでいる光景を見に行く
サガリバナツアーを開催されている会社もあり、人気のサガリバナ。
水面いっぱいに浮かんでいる光景はとてもきれいです。
潮の状態や、風のコンディションがよければ、朝10時ぐらいでも
水面に浮かんでいる花を見ることができます。
「森の落とし物」にも注目
西表島、奥地の川へ向かう際は
景色だけでなく、水面も気にしてカヤックを漕いでみてください。
思わぬ「森の落とし物」に出会える時もあります。
どうしても、自然体験ツアーというと
ヤマネコやトカゲ、魚などの動物との出会いを期待してしまうのですが、
お天気や気温に左右される気まぐれな動物と違い
植物は年間でも一定のリズムで生活していることが多いです。
その分、この時期は○○といったように花が咲いているのが見れたり
実がなっているのを観察できたり、種を拾ったりといろんな楽しみを年間通してできるのが
植物の魅力でもあります。
2018年のピークは8月だった
例年では7月が開花のピークを迎えるサガリバナですが
2018年のシーズンはピークらしいピークがなく、
7月中旬~8月中旬にかけて、まばらに咲いているなという印象を受けました。
近年の気候変動が影響しているのでしょうか?
西表島付近でも、海水温の上昇がみられたり、急な大雨が続いたりと
天候の予測がしずらい日が続いたシーズンでした。
おおむね晴れており、台風が来ない。
しかし、時折、バケツをひっくりかえしたような大雨が降る。
亜熱帯気候と呼ばれる西表島ですが、
熱帯に近づいているのではないかと感じられる気候です。
自然から変化を感じる
そんな気候の変動に敏感なのが、動物や植物たち。
西表島にはリュウキュウアカショウビンという渡り鳥が飛来します。
例年だと3月中旬ごろに初鳴きが聞こえ「春が来たな」と感じるのですが、
2018年は4月上旬の初鳴き。2週間ほど遅れてやってきた渡り鳥。
そんな気候の影響が植物にも出ていると考えざるをえない状況が見られます。
開花の時期、実の結実状況へも少なからず影響が出てきているようです。
来年の開花はいつごろだろうなと思いをはせながら
来年を楽しみに待ちたいと思います。
ガイド飯田(写真/文)