「オキナワキョウチクトウ」
【特徴】白く美しい花、マンゴーのような実
【出会える度】★★★★★
【分布】沖縄、台湾、中国南部、インド、マレーシア
「ミフクラギ」と呼ばれる植物
オキナワキョウチクトウの別名はミフクラギ。
キョウチクトウと呼ばれる植物には毒のある種類が多く見られます。
西表島に生息する蝶「オオゴマダラ」の食草もキョウチクトウ科の植物です。
「ホウライカガミ」という植物の葉に卵を産み、毒のある葉を幼虫のころから食べることによって
体の中に毒を貯めていく。成虫になると毒があるので鳥などの敵に狙われにくくする。
そんな利用のされかたもするキョウチクトウの植物。
オキナワキョウチクトウも、その例にもれず、猛毒の植物だったりもします。
「ミフクラギ」という語源は「目が膨らむ(メフクラギ)」だといわれています。
オキナワキョウチクトウの実を触った手で、目をこすったら目の周りが腫れて膨らんだことからきた名前です。
実際に、昔は魚毒として使用されたり、殺鼠剤としてしようされたりもしていたようです。
樹液は白乳液色で、この樹液にも毒があるといわれています。
「マンゴー」みたいな実に注意
9月ごろに森の中を歩いているとマンゴーみたいな赤くツヤツヤした実が落ちていることがあります。
それが、オキナワキョウチクトウの実。
綺麗で美味しそうで、ついつい拾ってしまいそうになるのですが、触らないほうがいいです。
オキナワキョウチクトウの種の中にある仁肉は、小麦粉と混ぜて殺鼠剤としてつかえるぐらい猛毒です。
間違っても食べないように、触らないように注意してください。
また、乳液(樹液)にも毒が含まれているので植物自体も触らないほうがいいです。
風車のような形の花
花も白く、森の中で目立つ色をしています。
形も風車のようで面白い形をしています。
森の中だけでなくて、西表島には道路沿いに生えていたりもするオキナワキョウチクトウ。
綺麗な花には棘がある。ではありませんが、毒のある植物も多く生育する場所です。
食べられる植物も多くあるのですが、毒を含む植物も多い。
植物同士で生き残りをかけたり、動物に食べられないような工夫をするために毒を持つようになったのでしょう。
そういう意味でも、西表島で野生に生きるという大変さを感じることのできる植物でもあります。
毒があるからダメな植物だって決めつけるのではなく、どうしてこの植物には毒があるんだろう?
って疑問をもってもらえると、西表島の植物たちの生活を垣間見ることができるかもしれませんね。
ですが、小さいお子さんなど、散歩するときには十分注意してくださいね。
ガイド飯田(写真/文)