西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

出会ったら注意!毒蛇「サキシマハブ」の見分け方とは…

「サキシマハブ」

【特徴】三角の頭、鋭い眼光、山道の足元で休んでることも

【出会える度】★★☆☆☆

【分布】石垣島、西表島、外離島、内離島、小浜島、竹富島、黒島、嘉弥真島

 

弱毒性のハブ

沖縄で草むらや森に入るときに気を付けることとは、まずはじめに言われるのが「ハブに咬まれないように」することです。
「ハブよりも恐い飲酒運転」と言うように、恐い生き物の象徴にもなっている「ハブ」。
日本人で知らない方はほとんどいないと思いますが、外国人の為にも言っておきます。
「ハブは危険です」、もう一度言います「ハブは沖縄に住む、危険な毒蛇です」

ハブ酒で有名なハブですが、ひと口に「ハブ」といっても、実は4種類ほどいるんです。
奄美大島から沖縄本島にかけてのハブ(ホンハブ)、ヒメハブ、タイワンハブ、八重山諸島のサキシマハブ。

西表島は八重山諸島なので、いるのは「サキシマハブ」といわれるハブです。
ホンハブに比べると弱毒性と言われており、毒が弱いのが特徴です。
西表島では住民が夜間に咬まれることが多く、たまに診療所のお医者さんがハブについての講義を開いてくれたりもします。

その講義によると、どくの強さはホンハブを100%とすると、サキシマハブは30%程度の強さ。
咬まれても、ちゃんと処置を施せば、ほとんど大丈夫と言っていました。

ハブに咬まれたら、まず最寄のお医者さんへ連絡

毒が弱いといっても、油断しないでください。
咬まれると確実に腫れます。腫れるだけならいいですが痛いようです。

2年ほど前に西表島の知り合い(屈強な男で身長も180㎝ぐらい)が「サキシマハブ」に咬まれたようで、
松葉づえ生活を余儀なくされていました。本人曰く、腫れた足を地面につけると、痛いそうです。
自分は体験していないので、何とも言えませんが、絶対に体験したくないことの一つでもあります。

「ハブに咬まれたときは、毒を抜こうと傷口をナイフや鎌で切ったりしないでください」と言っていたのが印象的でした。
咬まれたら、とっさに毒を抜かなきゃとおもうかもしれませんが、最寄の診療所、病院にすぐに直行するのがいいようです。
特に「サキシマハブ」は弱毒性なので、適切な処置をすれば大丈夫で、ナイフなどで傷口を開いちゃうと逆に傷の治りが悪くなったりもするようです。
咬まれたくはないと思いますが、咬まれた際は、できるだけ早くお医者さんに診てもらうことをおススメします。

ハブの特徴

西表島にはハブ以外の蛇もいます。
ハブ以外は毒がない蛇(ウミヘビ除く)なので、まずはハブの見分け方を覚えれば間違いない。

サキシマハブはまず、頭が三角形の形をしています。
柄は写真のように茶色地に黒の鎖のような模様。
西表島にはたまに、赤茶色のサキシマハブもいたりしますが赤茶色はレア。
ほとんどが茶色地に黒の模様が入っています。

山道にいると見分けがつかないぐらい地味な色をしているので、
路肩の草が生えているところには、うかつに近づかないでください。

まずは、「頭が三角」これだけは忘れないようにしてください!

ハブの出やすい場所

山道の道端や岩の影、木の上で見かけることのあるサキシマハブ。
昼は寝ているのか、じっとして動かないことが多いです。
寝ているといっても、マブタがないので、ぱっと見は寝ているのか起きているのかわからない状態。

急にとびかかってくることもあるので、見かけたら近づかないというのが一番です。

夜は道路に出てきたり、住宅街の庭を這っていたりとそこらかしこに出現します。
特に夏の時期は気温が高い、カエルなどの生き物が道路に出てくる、
とハブにとっては条件のいい季節なので夜の活動も活発になることが多いので要注意の季節でもあります。

落ちてきたカエルを狙ってか、排水溝の脇で水がチョロチョロ流れる場所でとぐろを巻いていたり。
戦闘態勢になると、目をギラギラさせて、せわしなく舌をペロペロさせて周りをうかがいます。
ときおり、シャーーーーッという音をたてて威嚇してくる姿は、本当に怖いです。

山道は特に注意

山道でハブを見かけることが多いのは、人間が通る「道」のすぐそばが多いです。
人間が通る道は草が刈られていたり、光がさしたりと小さい動物(トカゲやカエルなど)
にとっては条件がよい過ごしやすい場所であったりもします。

その小動物を狙ってか、みちの脇でスタンバってるハブ。
獲物が出てきた瞬間に攻撃して食べちゃおうって魂胆なのでしょう。
道脇でじっとしていることが多いです。

しかも、土色をしているので、土や枯れ葉と同化して見分けがつきにくい。
慣れたガイドでも見落としてしまうほど同化しています。

小動物にとっても同じことで、トカゲとかも知らずに「日向ぼっこしよう」とお出かけしても
「待ってました」と手ぐすねをひくハブにつかまってしまったりもします。

イシガキトカゲぐらいの大きさだと、咬まれて1分ほどで麻痺してしまいます。
まだ意識はボーっとあるのでしょうが、体が動かないのでそのまま頭から飲み込まれてしまいます。
一度、ハブがトカゲを咬む瞬間を目撃したことがありますが、
咬む瞬間のハブの動きは目でも追えないほど素早いものでした。

冬に入ってくると目撃が少なくなってくるハブですが、自然に入る際は是非ともき気を付けてください。

そんなハブを見れるかも >>> 【滝】ナーラ川本流コース(マングローブ&ジャングルカヌー):MJ2

 

ガイド飯田(写真/文)

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