西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

オスプレイの名前の由来「ミサゴ」は冬に飛び始めます

「ミサゴ」

【特徴】冬鳥、北風に向かってホバリング、翼を広げると大きい

【出会える度】★★★★☆

【分布】世界的に広く分布(南西諸島では夏に少ない)

 

オスプレイのモデルとなった鳥

秋冬の時期の西表島では「ミサゴ」という名前の鳥を見ることができます。
「ミサゴ」っていうと聞き馴染みがない名前かもしれませんが、英名が「オスプレイ」。
あの米軍のヘリコプター「オスプレイ」の名前の由来ともなった鳥です。

特徴は空中でホバリングすること。
強い北風が吹くと、北風に向かって飛んでいきます。
飛ぶのですが、途中で風を大きな羽に受けて上手にホバリングします。

魚が好きな鳥なので、ホバリングしながら眼下の魚群を確認しているようです。
狙いを定めると、直滑降。
シューーーーっと水面に向かって降りてきたかとおもうと
バシャーンという音とともに、足のカギ爪で魚をガシッとつかみます。

時には自分の体ほどもある大きな魚を捕まえることも。
重そうに、ヨロヨロと飛びながら、陸に叩きつけて、魚を弱らせます。
そして食事の時間。ワシタカ類なだけにやはり獰猛な印象。

鳴き声は「ピッ」と鋭い

鳴き声は可愛らしく「ピッ、ピッ」と鋭く鳴きます。
川沿い、海の近くで生活している鳥なので、カヤックに乗っている時に多く見かける鳥でもあります。
カヤックに乗っている際に大きな鳴き声が聞こえたなと思ったら、上空を見てみてください。
結構な確率で飛んでいるのを見ることができます。

普段は木々の中に隠れて生活しているようですが、人間を見つけるとビックリするようで
バタバタと飛び立ちます。
体はスマートな感じで、木に停まっているときはカンムリワシと変わらないぐらいの大きさ。
少しカンムリワシより、小柄かなとも思えるぐらいですが、
バサバサと飛び始めたら別。

翼を広げるとカンムリワシより大きい

広げると大きく立派な翼を持ち、腕掌骨が発達しているんだろうなという印象を受けます。
人間でいうと、二の腕から手首にかけてが長く、指先までシュッとしている印象。
美腕の持ち主でもあります。

「風切羽もでっかいんだろうなあ」と、ちょっとマニア目線で見てしまうほどの大きさ。
翼を広げると、カンムリワシよりはるかに大きいです。
カンムリワシは二の腕がガッシリしていて手が短い筋肉質な印象ですが、
ミサゴは指先までシュッと伸びており、大きな翼で優雅に風を受ける印象の鳥です。

肩を使って飛ぶカンムリワシと、肘まで大きく使えるミサゴ。
カンムリワシが「マイク・タイソン」とするなら、ミサゴは「レノックス・ルイス」といったところでしょうか。

関連記事>>>特別天然記念物で絶滅危惧種の「カンムリワシ」呼びかけると答えてくれることも

そんなミサゴは、狩りの名人でもあります。
カンムリワシの狩り下手に比べ、ミサゴは狩りの成功率も高い印象を受けます。
というのも、冬の時期にカヤックに乗りながら川で「ミサゴ」を見かけると、魚を持っていることが多いからです。

人間が近づくと驚いて、うっかり魚を落としてしまうこともありますが、
そんなときは、食事の邪魔しちゃったなと反省。

川の海沿いで多く見かける鳥ですが、上流で見かけることもあります。
冬の時期、西表島の川でカヤックをする際は、緑だけでなく「ミサゴ」も探してみてください。

そんなミサゴが見れるかも >>> 【滝】ナーラ川本流コース(マングローブ&ジャングルカヌー):MJ2

 

ガイド飯田(写真/文)

/ 動植物図鑑/ タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , ,
最近の投稿