「アカスジベッコウトンボ」
【特徴】鮮やかな赤色のトンボ、近づくとすぐに逃げる
【出会える度】★★☆☆☆
【分布】石垣島,西表島,与那国島、台湾,中国,ロシア,フィリピン,東南アジア~インド
もともと、日本にはいなかったトンボ
台湾や東南アジアに生息していたトンボで、もともと日本にはいなかったトンボです。
2006年5月に与那国島でオスのトンボが、観察・撮影されています。
海外(台湾など)から飛んできたのか、漂流物に付着して海流に流されてきたのか、人間の輸送に付いてきたのか移動の原因は不明ですが、与那国島で確認されています。
DNAなどを調べてみると更に詳しい情報がわかるかもしれません。
濃い赤色のトンボ
西表島、石垣島でも見る事ができるトンボで、赤褐色の濃い赤色が特徴のトンボです。
草の葉にぶら下がっていたり、木の枝に止まっていることが多いトンボ。
どちらかというと、山に近いところに飛んでることが多いトンボです。
アカスジベッコウトンボは6月から見れます
西表島では6月頃から見ることができ、11月ぐらいまで飛んでいます。
西表島自体、年間を通して気温が高かったりするので、トンボにとってもいい環境の島です。
アカスジベッコウトンボ以外のトンボも多く見られます。
特に8月は南の方からの季節風に乗って移動してくるトンボもいて、西表島で産まれたトンボだけでなく、海外からの流入トンボも交じって大群になる場合もあります。
トンボを見るなら
川沿いなどの水辺、マングローブの木立の中、を散策していると多くのトンボに出会えます。
9月末ぐらいからは数多く飛んでいる印象です。
トンボと台風
沖縄の方言には「カジフチアーケージュー」という言葉もあるぐらいです。
「カジフチアーケージュー」とは、「暴風の吹きそうな時、その前触れのように群れ飛ぶ赤とんぼ」のこと。
風吹き赤ぇ衆とでも書くのでしょうか?
昔から台風が来る前の風が強い日に、赤とんぼが飛んでいたという体験から来た言葉なのでしょう。
台風の前は風が強くなるので、南方のトンボが飛ばされてきて大群になったのかもしれません。
ただの方言も、経験則から言い伝えられている言葉でもあるので、特に沖縄では方言を知るのも季節を知るきっかけになったりもします。
トンボに会えるかもしれないコース
トンボを多く見たいなら、川沿いの山道を歩くコースがおススメです。
ナーラ川のコースはカヤックこそ片道2時間のコースですが、トレッキングは高低差はほぼなく、川沿いの山道を歩くコースです。
途中、草むらに飛んでいるトンボも多いコース。もしかしたら、アカスジベッコウトンボにも出会えるかもしれません。
そんなアカスジベッコウトンボに会えるかも>>> 【滝】ナーラ川本流コース(マングローブ&ジャングルカヌー):MJ2
ガイド飯田(写真/文)