西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

11月の西表島は、オヒルギの種が伸び始める季節です。

11月に種ができるオヒルギ

ちいさい四季見つけた

西表島は、年中緑で目立った紅葉がない島です。
パッと見では「一年中変わらない島だな」と思われるかもしれませんが、実は少しづつ変化している島でもあるんです。

オヒルギというマングローブがありますが、この植物ひとつとっても、四季を感じることができます。
9月に、葉の間に赤いつぼみをつけ始め、10月には花を咲かせる、11月に入ると散った花のめしべが膨らみ種ができはじめる。種が長くなると、下に落ちて新たな命が産まれる。そんな生活をおくっています。

参考記事>>>西表島でカヌー体験で「オヒルギ」が見れます。オヒルギの特徴と違いを解説

11月中旬には川をカヤックで漕いでいると落ちて地面に刺さらなかった種が水面に浮かんでいる姿も見ることができます。
年に2回~3回ぐらい種をつくる植物です。「旅行に来るときに毎回種見るよ」ってかたも多いのではないでしょうか。
それだけ戦略的に、元気に生きている植物でもあります。

オヒルギの種のスゴイところ

戦略的というのも、種が上手いことできていて、水に浮かぶと、芽が出る方が上になって浮かび、根が出る方が下になって沈みます。ひっかかった先でも、地面に近いほうに根が出る部分がひっかかるので、根を張りやすいようになっています。

また、形が流線形の形をしているので、ヒトの目線ぐらいの高さから落としただけで、水中にシュポーーーンと入っていきます。昔、お風呂で遊んだおもちゃのようにスルスル水を切っていく。見ていても気持ちが良い感覚です。

進化の過程でそうなったのでしょうが、そういうふうに種を作れる植物ってスゴイなとまじまじ感じます。合理的でなおかつ、効率的。「生き残る」という使命のもとではエゴは存在できないのでしょうね。

オヒルギはどこに生えているの?

オヒルギに代表されるマングローブは、自然に生えた北限が鹿児島県の奄美大島で、人間が持って行って生えた北限が鹿児島県の喜入町と言われています。暖かい地方が好きな植物で赤道付近に集中している植物でもあります。サトウキビと同じような分布をしている植物でもあります。

西表島では川の上流で見ることができ、独特な根を持っています。マングローブは日本に7種類あるのですが、それぞれが個性の強い形をして生きています。西表島でカヤックをする際はマングローブの根本にも注意して見てみてください。

P.S.

余談ですが、会社で飼っているヤギ「ベー吉」もオヒルギの種が好きだったりします。持っていくとフンフンと鼻を鳴らし、いつもより距離が近い。ボリボリとキュウリ感覚で食べます。ヤギにとっては美味しい植物でもあるみたいです。

 

そんなオヒルギの種が見れるかも>>>【滝】ピナイサーラの滝つぼ&滝うえコース:P2

 

ガイド飯田(写真/文)

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