西表島の自然を体験するツアーガイドという仕事を通じて、豊かな自然や島での暮らしについてを綴っています。

西表島でカヌー体験で「オヒルギ」が見れます。オヒルギの特徴と違いを解説

「オヒルギ」

【特徴】オクラのような種、膝根(しっこん)が特徴的

【出会える度】★★★★★

【分布】奄美大島以南の琉球列島、東南アジア、アフリカ、オーストラリアなど

 

川の上流で生活しているマングローブ

マングローブと言えば、「ヤエヤマヒルギ」が代表的ですが、
川の上流に行くにしたがって、「オヒルギ」が増えてきます。

関連記事>>森の入口で出迎えてくれる「ヤエヤマヒルギ」。歩きだしそうな勢いのマングローブ。

 

このオヒルギですが、満潮時は、水に浸かっている「普通の木」に見えますが、
干潮で水が無くなった時、根もとを見てもらうと すごく特徴的な形をしています。

凸凸の根

根が地面から凸凸と出ているのがわかります。
切り株のような、小人のような形の根っこ。

実は、地面のしたで、繋がっている根が折れ曲がったように見え、地面の上に出ているんです。
土の中の酸素が少ないので、 根の一部が盛り上がってできたもの。

空気中の酸素をとりいれる為に 形が進化した。と言われています。

葉のそばにある赤いつぼみ

根以外にも特徴的なのが、つぼみです。
「枝を見てみてください!」 枝には緑の葉がついていますが、 その間に見え隠れするのが、赤いつぼみ。

できたては、唐辛子のような形をしていますが、 よく見ると、切れ込みが入っている。
成長すると、パカッと開き「タコさんウインナー」のような形になります。
その内側にヒッソリと花を咲かせ、 花が散るとオクラ状の種が出てくる。

赤い花に見えるからついた別名

成長すると、種がブランブランとぶら下がっています。
この赤い「タコさんウインナー」のような形をしたものが
「花のガク」にあたるのですが、これが花のように見えるので、 「アカバナヒルギ」という別名がついている植物です。

マングローブを見て、赤い花のようなものが付いていたら 「オヒルギ」だって思ってもらってかまいません。
見分けやすい特徴ですね。
「マングローブの違いがわからないよ」という人は参考にしてください。

川の上流でよく見れます

「マングローブ」も種類によって、生活している場所が大きく変わってきます。

河口付近や海の近くには「ヤエヤマヒルギ」が多くみられ、上流に行くにしたがって「オヒルギ」が目立ちます。
また、河口付近でも、手前の列に「ヤエヤマヒルギ」が並び、 奥の山に近づくにしたがって「オヒルギ」に変わっている場所も多くあります。

 

森の落とし物

また、オヒルギの種ですが、海へ流れ出ることも多く、 海岸に打ち上げられているものも多くみられます。

砂浜を散歩していると、オヒルギの種が落ちていた なんて、思わぬ場所での出会いがあります。
オヒルギの種は、地面に刺さらないと 水に浮かんで流れていきます。
「旅する種」なんですね。

カヤックに乗っている時にオヒルギの種を見つけたら さわってみてください。
しっかりと固い種に驚かされますよ。 サプライズをくれる「森の落とし物」です。

参考記事>>>11月の西表島は、オヒルギの種が伸び始める季節です。

 

カヌー体験で出会えます

そんな色んな面を見せてくれる「オヒルギ」 西表島でカヤック、カヌーに乗ると 必ずと言っていいほど、よく見る植物なので 知ってください。

オヒルギの見分け方も覚えると 「どんな場所にはえているのか」 「どんな場所がすきなのか」 を知ることができ、
植物の気持ちが少しだけ わかると思います。

「植物の気持ちになって自然に入ってみる」 そんな体験を、ぜひ、西表島で味わってください!

 

ガイド飯田(写真/文)

 

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